日常生活の中で何気なく行っている習慣が、実は火災の原因となっていることをご存知でしょうか?
家庭や職場などでの火災リスクを減らすために、意識しておくべき火災対策について考えてみたいと思います。身近な危険を回避し、安全な環境を保つために、日常の中でできることを見直してみましょう。

日常の習慣が引き起こす火災原因

火災は特に冬に発生しやすいです。理由はいくつかありますが、暖房器具の使用増加や乾燥した気候が原因です。電気ストーブやヒーター、こたつなどの使用が増えるため、火災のリスクも高まります。
また空気が乾燥していることで、火の回りが早くなる傾向があります。

一方、夏もバーベキューや花火などのアウトドアイベントによって火災が発生しやすい時期です。
どの季節であっても、火の取り扱いには常に注意が必要です。日常生活の中で小さな注意を払うことで、大きな災害を防ぐことができます。

今回は大阪市の「火災調査担当の現場レポート」を参考にご紹介していきます。

1位 たばこによる火災

寝たばこによる火災が主な原因です。たばこを吸い終わった後、完全に火が消えていないまま捨てられることで火災が発生します。
例として、住人がソファで寝たばこをしていたところ、火が布製品に引火し、大規模な火災に発展。

2位 放火(疑い含む)

意図的な火災がマンションで起こることも少なくありません。
放火による火災発生の事件では、未解決の恨みから放火が行われたとされています。

3位 ガスこんろ

特に天ぷら油の過熱による火災が多いです。
マンションで天ぷらを調理中に油が過熱し、火災が発生した事例があります。

4位 電気配線の不良

特に古いマンションでの配線が原因となることが多いです。古いマンションで電気配線がショートし火災が発生しました。コードの上に重いものが乗ってコードが傷み断線したり、たこ足配線やコードを束ねての利用、電源プラグにほこりがたまって火がつくこともあります。

5位 電気製品

近年ではモバイルバッテリーや充電器が原因となることが多いです。モバイルバッテリーが過熱し、火災が発生しました。衝撃により発熱や発火を引き起こすこともあります。

意識したい火災対策

たばこ火災

原因:寝たばこや吸い殻の不始末
対策寝たばこは絶対に避け、たばこは必ず完全に消してから捨てるようにしましょう。耐火性の灰皿を使用することも有効です。
例えば、ある男性は夜中に寝たばこをしてしまい、火種が布団に落ちてしまいました。幸いにも早期に気づいたため大事には至りませんでしたが、こうした行動は大火災につながりかねません。

放火防止

原因:ごみや可燃物が無防備に置かれていること
対策ごみや不要な物を玄関前や駐車場、駐輪場など家の外に放置しないようにしましょう。放火犯は昼間より夜間に動くことが多いため、ごみは夜ではなく朝に出すようにしましょう。また共用部分の廊下や駐車場、バイク置き場、駐輪場なども物を置かないようにしましょう。

ガスこんろ火災

原因:油の過熱や火の消し忘れ
対策:調理中は油を過熱しないよう注意し、消火器や耐火性のフライパンカバーを手元に用意しましょう。調理中はその場を離れない習慣をつけることが重要です。
例えば、天ぷらを作っている最中に電話に気を取られ、油が過熱して火災が発生したケースがあります。このような事故を防ぐためには、調理中は一切の注意を逸らさないことが大切です。

電気配線火災

原因:古い配線やショート
対策:定期的な電気配線の点検とメンテナンスを行い、必要に応じて古い配線を交換しましょう。神奈川県秦野市「主な償却資産の耐用年数」によると、ストーブの耐用年数は6年となっており、事業者向けですと看板・ネオンサインは3年となっています。購入から耐用年数が過ぎているのものはチェックしてみましょう。
また資格がない場合のDIYでの配線作業は避け、専門業者に依頼することも安全対策の一環です。
古い配線がショートし家具が燃え、家族は無事でしたが家全体が焼けてしまうといった事故事例もあるため、そのような事故を未然に防ぐためにも定期的な点検が欠かせません。

電気製品火災

原因:モバイルバッテリーや充電器の過熱
対策使用していない時は電気製品のプラグを抜く、異常を感じたら使用を中止しメーカーに相談しましょう。信頼性の高い製品を選ぶことも大切です。
モバイルバッテリーを長時間充電していて、過熱して発火し書類が燃えてしまうような事故を防ぐためには、使用時間を制限し異常を感じた場合は即座に使用を中止し、新しいものにとりかえるのが重要です。

まとめ

日常の習慣が引き起こす火災原因と対策について考えると、生活環境において火災リスクを減らすために意識すべきことがたくさんあります。日常の些細な習慣が火災の原因となることも少なくありませんが、適切な火災対策を取ることでそのリスクを軽減することができます。

ですから、火災を未然に防ぐためには日頃からの意識改革が必要です。身近な環境での火災リスクを理解し、対策を講じることで、より安全な生活を送ることができます。

まんがいち、火災になった場合に備えて「賃貸マンション入居者が後悔しないための火災保険ガイド」もあわせてご一読ください。