同棲を始めるカップルにとって、生活費の中でも特に食費が毎月いくらかかるのかは大きな関心事です。
二人で暮らす際の食費の平均や目安を知ることで、自分たちの家計管理に役立てられます。
この記事では、統計データに基づいた食費の平均額から、自炊や外食といったライフスタイル別の費用、さらには具体的な節約術やカップル円満のための分担方法まで、詳しく解説します。
同棲カップルの食費平均は月いくら?統計データから見る相場

総務省統計局が公表している家計調査報告(2023年)によると、二人暮らしにおける1ヶ月の食費の平均は67,776円でした。
ただし、これはあくまでも全年代を含んだ二人暮らし世帯の平均値です。
食費の相場は年齢やライフスタイル、居住地域によっても変動し、特に物価の高い東京などの都市部では、この月の平均額を上回る傾向があります。
2024年や2025年にかけての物価動向も考慮し、この毎月のデータを一つの基準として、自分たちの月々の食費がどのくらいになるか見当をつけると良いでしょう。
自炊派?外食派?ライフスタイル別の食費もチェック

二人暮らしの食費は自炊が中心か外食が多いかによって大きく変動します。
特に20代後半から30代の社会人カップルでは平日は自炊で週末は外食といった生活を送るケースも多いでしょう。
またお酒やお菓子などの嗜好品にかける費用や二人の食べる量も食費が高いか安いかを左右する重要な要素です。
大食いのカップルであればその分食費もかさみます。
まずは自分たちの食生活の内訳を把握しどのようなスタイルが家計に合っているかを確認することが求められます。
自炊がメインのカップルの平均食費
自炊をメインに生活するカップルの場合、月の食費は4万円から5万円程度に収まるケースが多く見られます。
この金額を達成するためには、週に1〜2回程度のまとめ買いを心掛け、計画的に食材を使い切ることが重要です。
特売品をうまく活用し、肉や魚は安い時に購入して冷凍保存するなどの工夫が求められます。
食費を4万や5万に抑えるには、嗜好品であるお酒やお菓子の購入を控えめにしたり、調味料やお米などのストック品も含めて予算管理を徹底したりする必要があります。
平日の夜ごはんだけでも自炊を徹底することで、食費を大幅に削減できます。
外食が多いカップルの平均食費
仕事が多忙であったり、料理が苦手であったりして外食が多くなるカップルの場合、月の食費は8万円から10万円、あるいはそれ以上に及ぶことも珍しくありません。
例えば、ランチに一人1,000円、ディナーに3,000円使うと、二人分では相当な金額になります。
特に都市部では一食あたりの単価が高いため、食費はかさみがちです。
食費が9万や10万を超えている場合は、外食の頻度を見直す、あるいは価格帯の低い店を選ぶなどの対策が必要になります。
記念日などの特別な外食と普段の外食を区別し、メリハリをつけることも一つの方法です。
自炊と外食が半々のカップルの平均食費
平日は自炊、週末は気分転換に外食を楽しむなど、自炊と外食が半々のスタイルのカップルでは、月の食費は6万円前後が目安です。
このライフスタイルは、節約と生活の楽しみを両立させやすいという利点があります。
食費を6万に収めるには、外食にかける予算をあらかじめ決めておくと管理がしやすくなります。
例えば、「外食は週に1回まで」「1回の外食予算は二人で5,000円まで」といったルールを設定すると、使いすぎを防げます。
外食の頻度が予算を圧迫していると感じたら、自炊の回数を増やすなど、柔軟な調整が求められます。
私たちに最適な食費は?手取り収入から予算を立てる方法

同棲カップルにとって最適な食費の予算を立てるには、二人の手取り収入を基準に計算するのが効果的です。
一般的に、食費は手取り収入の15%程度が理想的な割合とされています。
例えば、二人の手取り収入の合計が月40万円であれば、食費の予算は6万円が目安です。
まず、現状の食費がどのくらいかかっているかを把握し、収入に対する割合を確認することから始めましょう。
この計算によって、自分たちの生活レベルに合った、無理のない食費の予算がどれくらいかが見えてきます。
どう分担する?カップル円満のための食費の決め方

食費の分担やお金の管理方法は、同棲カップルが喧嘩をしやすいテーマの一つです。
他のカップルがどうしてるか気になるかもしれませんが、最も重要なのは、二人でしっかりと話し合い、お互いが納得できるルールを決めること。
支払い方法や管理の仕方について明確なルールがないと、不満が溜まる原因になります。
共通の口座を作ってそこから食費を支払う、キャッシュレス決済の利用履歴で管理するなど、やりくりの方法は様々です。
ストレスなく円満な同棲生活を送るために、自分たちに合った食費の管理方法を見つけましょう。
二人で均等に負担する「きっちり折半」
食費を二人で均等に負担する「きっちり折半」は、公平性が高く分かりやすい方法です。
毎月の初めに決まった金額を共同の財布や口座に入れ、そこから食費を支払うようにすれば、管理が非常にシンプルになります。
どちらかが立て替えた場合は、レシートを基に月末に精算する形も考えられます。
この方法の利点は、お互いの負担が平等であるため、金銭的な不満が出にくいことです。
ただし、二人の収入に大きな差がある場合、同じ金額を負担することが片方にとって重荷になる可能性も否定できません。
お互いの経済状況を理解した上で、この方法が適しているか話し合う必要があります。
きっちり半分ずつというルールが、関係性によっては窮屈に感じる場合もあります。
収入額に応じて負担割合を変える
お互いの収入に差があるカップルであれば、収入額の比率に応じて食費の負担割合を変える方法が有効です。
例えば、彼氏の手取りが30万円で彼女が20万円の場合、負担割合を3:2に設定するなど、収入比に基づいて分担額を決定します。
この方法は、収入が少ない方の経済的な負担を軽減できるため、不公平感をなくしやすいという大きなメリットがあります。
ただし、具体的な割合を決める際は、お互いの貯金額や他の固定費の支払い状況なども含めて総合的に判断し、十分に話し合うことが不可欠です。
どちらか一方が不満を抱えないよう、お互いが納得できる着地点を見つけることが円満な関係を維持するために求められます。
家事の分担に合わせて負担額を調整する
金銭的な負担だけでなく、日々の家事の分担状況を考慮して食費の負担額を調整するのも一つの考え方です。
例えば、主に料理や買い物を担当している方が食費の負担を少し減らし、その分、もう一方が多く支払うといった方法が挙げられます。
これは、料理や献立を考える時間、買い物に行く手間といった、金額には表れない「見えない貢献」を評価するアプローチです。
生活全体への貢献度でバランスを取るため、お互いの納得感を得やすい側面があります。
ただし、家事の分担は日によって変わることもあるため、厳密な計算は難しいかもしれません。
大まかなルールとして設定し、状況に応じて柔軟に話し合いながら調整していく姿勢を持つと良いでしょう。
今日からできる!同棲カップルのための食費節約術

食費の予算と分担方法が決まったら、次は日々の生活の中で具体的な節約を実践していくことが重要です。
無理なく続けられる方法を二人で見つけることが、食費を上手に抑えるための鍵となります。
毎日の買い物の仕方から調理の工夫、日々の小さな習慣の見直しまで、二人で協力して取り組める簡単な節約術は数多く存在します。
これらのアイデアを実践し、賢く家計を管理して、無駄な支出を減らしていきましょう。
スーパーに行く回数を減らし計画的に買い物する
スーパーへ行く頻度が高いと、その都度特売品や新商品に目移りし、予定外のものを買ってしまうことがあります。
これを防ぐには、買い物は週に1回か2回にまとめ、計画的に行うのが効果的です。
まず1週間の献立を大まかに立て、必要な食材をリスト化してから出かけると、衝動買いを防ぎやすくなります。
買い物リストがあれば、たとえ安い値段の商品があっても、本当に必要かどうかを冷静に判断できます。
また、空腹時に買い物をすると、お惣菜やお菓子などを余計に買ってしまう傾向があるため、できるだけ食後に行くなどの工夫も有効です。
割高なコンビニでの買い物を避ける
コンビニエンスストアは手軽で便利ですが、多くの商品はスーパーマーケットに比べて割高に設定されています。
特に飲み物やお菓子、日用品などを頻繁にコンビニで購入する習慣があると、知らず知らずのうちに支出がかさんでしまいます。
緊急時を除いては、買い物のメインはスーパーやドラッグストアに切り替えることを意識しましょう。
もしコンビニを利用する場合でも、本当に必要なものだけを購入するように心掛けることが節約の第一歩です。
日々の小さな出費を見直すことで、月単位で見たときに大きな差額が生まれます。
セール品や見切り品を賢く取り入れる
食費の節約において、セール品や見切り品を上手に活用することは非常に有効な手段です。
特に、消費期限が近づいて割引された見切り品は、その日のうちに調理する予定であれば大変お得です。
肉や魚などの生鮮食品は、見切り品で購入してすぐに下味をつけて冷凍すれば、長持ちさせられます。
スーパーのチラシやアプリをこまめにチェックし、その時の特売品を中心に献立を組み立てることで、効率的に食費を削減できます。
ただし、安いからといって不要なものまで買わないよう、あくまで計画的な買い物の範囲内で取り入れることが重要です。
一度にまとめて調理して作り置きを活用する
週末など時間のある時にまとめて調理し、「作り置き」のおかずを準備しておくと、平日の食費と調理の手間を大幅に削減できます。
複数の常備菜があれば、忙しい日でも外食やお惣菜に頼ることなく、バランスの取れた食事ができます。
また、作り置きのおかずは翌日のお弁当にも活用できるため、ランチ代の節約にも大きく貢献します。
食材をまとめ買いして一度に使い切ることで、食材を腐らせてしまうフードロスも防げます。
光熱費の面でも、毎日調理するよりまとめて作業する方が効率的です。
マイボトルを持参して飲み物代をカットする
外出先で自動販売機やコンビニでペットボトル飲料を購入する習慣は、1回あたりの金額は小さくても、積み重なると月々数千円の出費になります。
これを節約するため、職場や外出時にはマイボトルを持参する習慣をつけましょう。
自宅で淹れたお茶やコーヒーを持って行くだけで、飲み物代を大幅に削減できます。
また、支払い方法を工夫するのも一つの手です。
例えば、キャッシュレス決済のキャンペーンを利用したり、ポイント還元率の高いカードで支払ったりすることで、少しでもお得に購入できます。
ふるさと納税の返礼品で食材を手に入れる
ふるさと納税は、実質2,000円の自己負担で自治体に寄付を行い、返礼品として地域の特産品を受け取れる制度です。
この返礼品には、お米や肉、魚、果物といった魅力的な食材が豊富に揃っており、これらを活用することで食費を効果的に節約できます。
普段は高くて手が出しにくいブランド肉や、大容量の冷凍魚介類などを選べば、家計の助けになります。
控除される上限額は収入などによって異なるため、ふるさと納税サイトのシミュレーション機能やアプリで確認してから寄付先を選ぶと良いでしょう。
食費の節約に限界を感じたら?固定費の見直しも検討しよう

食費の節約を一生懸命に行っても、なかなか生活費に余裕が生まれないこともあります。
食費のような毎月金額が変わる変動費の削減には限界があるため、そのような場合は一度の見直しで効果が持続しやすい「固定費」に目を向けるのがおすすめです。
家賃や通信費、光熱費、保険料など、毎月決まって発生する支出を削減できれば、家計全体の負担を大きく軽減できます。
食費と生活費全体のバランスを見ながら、固定費の削減も同時に検討してみましょう。
通信費は格安SIMやセット割で安くする
スマートフォンは今や生活必需品ですが、大手キャリアを利用している場合、二人分の通信費は家計にとって大きな負担になりがちです。
現在よりも安いプランを提供している格安SIMに乗り換えるだけで、月々の支払いを大幅に削減できる可能性があります。
二人で乗り換えれば、月1万円以上の節約になるケースも珍しくありません。
また、自宅のインターネット回線とスマートフォンを同じ会社で契約することで適用される「セット割」の活用も有効です。
定期的に契約内容を見直し、不要なオプションを解約したり、よりお得なプランに変更したりすることを検討しましょう。
光熱費は電力・ガス会社の切り替えが効果的
電力・ガスの小売自由化により、消費者はライフスタイルに合った料金プランを提供する会社を自由に選べるようになりました。
現在の契約内容を見直し、より料金の安い電力会社やガス会社に切り替えることで、毎月の光熱費を削減できる可能性があります。
特に、電気とガスを同じ会社にまとめることでセット割引が適用され、さらにお得になるプランも多く存在します。
多くの会社がウェブサイトで簡単な料金シミュレーションを提供しているため、現在の検針票を準備して比較検討してみることをお勧めします。
同棲カップルの食費に関するよくある質問

同棲カップルの食費に関する平均額や節約術について解説してきましたが、個別の状況に応じた細かな疑問も残るかもしれません。
ここでは、大学生カップルの食費の目安や、具体的な節約目標の実現性など、より踏み込んだ質問に回答します。
これらのQ&Aを参考に、自分たちの食費管理の悩みを解消していきましょう。
大学生同士の同棲なら食費はどのくらい?
大学生同士の同棲では、社会人に比べて収入が限られているため、食費の節約はよりシビアになります。
目標としては、二人で月2万円台に抑えるのが一つの目安です。
この金額を達成するには、外食は特別なイベントに限定し、日々の食事は徹底して自炊することが前提となります。
スーパーの特売品や見切り品を狙い、もやしや豆腐、鶏むね肉といった安価でボリュームのある食材を積極的に活用します。
また、学食をうまく利用することも食費削減に有効です。
二人で協力して食費を月2万に抑えられれば、他の費用に使えるお金の余裕が生まれます。
食費を月3万円に抑えるのは現実的?
二人暮らしで食費を月3万円に抑えることは不可能ではありませんが、かなりストイックな食生活が求められる現実的な目標です。
これを実現するには、外食はほぼゼロにし、お酒やお菓子などの嗜好品も厳しく制限する必要があります。
食事は完全自炊が基本となり、食材の購入は業務用スーパーの活用や、計画的なまとめ買いで無駄をなくすことが不可欠。
食費の中で見落としがちな調味料やお米の購入も、予算内に収まるよう管理しなければなりません。
月3万という目標は、食の楽しみが制限される可能性もあるため、ストレスにならないか二人でよく話し合うことが重要です。
お酒や外食の費用は食費と別に管理すべき?
お酒や外食にかかる費用を食費に含めるか、別の費目として管理するかは、カップルの家計管理の方針によります。
もし食費が予算オーバーしがちな場合、その原因が外食費やお酒代であることは少なくありません。
その場合は、これらを「娯楽費」や「交際費」として食費とは別に管理することで、家計の実態がより明確になります。
例えば、「食費は月4万円、外食・娯楽費は月2万円」のように予算を分けることで、どちらを使いすぎているか一目で分かります。
これにより、節約すべきポイントが特定しやすくなるため、管理がしやすくなるというメリットがあります。
まとめ
同棲カップルの食費はライフスタイルによって大きく変動しますが、総務省統計局の2024年度家計調査によると、二人暮らしの1ヶ月の平均食費は約8.6万円です。また、2025年2月公表の家計調査では約7.5万円とされています。自炊中心であれば4〜5万円、外食が多い場合は8万円以上が目安となります。
まずは二人の手取り収入の15%程度を目安に予算を設定し、分担方法については折半や収入比など、お互いが納得できるルールを話し合って決めましょう。日々の節約術としては、計画的な買い物や作り置きの活用が効果的であり、食費の削減に限界を感じた場合は通信費や光熱費といった固定費の見直しも有効です。最も重要なのは、二人で協力し、楽しみながら家計管理に取り組む姿勢を持つことです。
