省エネ対策「照明設備」対応しやすい一次エネルギー消費軽減策

LED照明、人感センサー、調光器具が最近注目を浴びている理由を知っていますか?
それは、省エネ対策の一環として照明設備の改善が進められているからです。

2024年4月から施行される「建築物の省エネ性能表示制度」が、建築物の省エネ性能を示す努力義務を課すことになりました。

この制度は、国土交通省が推進する建築物省エネ法に基づくものであり、2024年4月以降に建築確認申請を行った物件は省エネ性能を表示する必要があります

LDE照明

LED(Light Emitting Diode)は電力を効率的に光に変換し消費エネルギーを抑える半導体の略称です。白熱電球が1,000~2,000時間、蛍光灯が1万~2万時間に対して、LEDは2.5万~5万時間と長期間の使用が可能です。

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特に2011年3月の東日本大震災以降は電力供給の不安定要因が節電意識を高めることとなり、電力消費構成の大きい照明分野での省エネが注目されました。

省エネ効果の優れたLED照明は一般家庭でも使用される電球形LEDランプをはじめ、施設照明・屋外照明などの幅広い用途で需要が急拡大しています。

環境省「いまさら聞けない!LEDって何?

エントランス

マンションのエントランスや入口のホールにLED照明を設置し、住民や訪問者が建物に入るときに明るく快適な雰囲気を提供します。明るい照明はセキュリティ向上にも寄与します。

階段・廊下

住民が安全に移動できるように照らします。
特に非常階段や避難経路にLED照明を設けることは防犯面でも非常に重要です。

エレベーター

エレベーター待ちのエリアにLED照明を備え、住民がエレベーターを待つときに明るい環境を提供します。エレベーター内にもLED照明を採用することで省エネ効果を高めます。

駐車場・バイク置き場・駐輪場

車・バイク・自転車の安全な移動を支援します。
明るい照明は安全性を高め、エネルギー効率の向上にも貢献します。

ロビー・ラウンジ

住民がくつろぎながら明るい雰囲気を楽しむことができるようにします。

庭園

屋外の共用スペースには、LED照明を使用して夜間に安全な環境を提供します。
また蛍光灯や白熱電球は紫外線を多く含むため、光に集まってくる虫が寄りつきやすいですが、LEDに変更すると紫外線の量が減るため虫が寄りつきにくくなる効果もあります

ただし周辺環境や光に寄ってこない虫もいるため、完全な防虫対策になるとは言えません

人感センサー

人感センサー(または動作センサー)は、人の存在や動きを検出するためのセンサーデバイスです。これらのセンサーは、周囲の環境における人の存在を感知し、それに応じて特定のアクションを実行します。一般的に赤外線センサーや超音波センサーが使用されています。

エントランスホール

住民や訪問者が入室すると照明が自動的に点灯し、明るい歓迎の雰囲気を提供します。帰宅後、人が通り過ぎたら自動的に消灯するので省エネ効果が期待できます。

階段・廊下

住民がこれらのエリアを通過すると照明が点灯し、安全かつ快適な通行をサポートします。
人けがない時は消灯し電力消費に繋がります。

エレベーターホール

エレベーターホールに人が訪れると照明が点灯し、待ち時間を明るく過ごすことができます。
エレベーター乗車後は人感センサーが無人を検知すると自動的に消灯します。

駐車場・バイク置き場・駐輪場

駐車場やバイク置き場、駐輪場に人感センサー付きの照明を設置することで、車やバイク、自転車、人が近づいたときに照明が点灯し安全な利用や防犯面でも役立ちます。
使用されていない時間帯には、自動的に消灯してエネルギーを節約します。

調光器具

調光器具は、照明装置の明るさを調整するための装置が組み込まれた照明機器のことを指します。調光器具は照明の光量を変更し、採光や好みの環境に合わせて照明効果を調整できます。

エントランス

マンションのエントランスエリアでは昼間は自然光を最大限に活用し、夜間には明るく照らすことができます。外部の明るさや時間帯に合わせて明るさを調整しエネルギー効率を向上させます。

階段・廊下

通常の利用時には適切な明るさを提供し、深夜や低利用時には明るさを抑えます。住民が夜間に通行するときにも安定的に安全性を維持します。

ロビー・ラウンジ・コミュニティエリア

住民がくつろぎながら照明の雰囲気をカスタマイズできるようにします。
夜間には雰囲気を落ち着かせるために暗くすることができ省エネと快適さを両立させます。

屋外テラス

屋外の共用テラスや庭園に調光器具を設けて、屋外の明るさを調整します。
夜間や特別なイベントの際には明るくし屋外の利用をサポートします。

まとめ

LED照明、人感センサー、調光器具などの省エネ設備は、今後ますます注目を浴びることが予想されます。個別の導入はもちろん、LED照明×人感センサー、LED照明×調光器具など組み合わせて利用するのもおすすめです。

「建築物の省エネ性能表示制度」の施行に伴い、省エネ設備の導入は必須となるため早めの対策が求められます。

まずは比較的ハードルの低い省エネ設備の導入により、環境への負荷を軽減し、電気料金の削減にもつなげていきましょう。今後、省エネ対策は空室対策にもつながる重要課題として注目されていくでしょう。