空室対策にテレビモニター付きインターホン。賃貸アパートの防犯強化と入居率UP

アパートやマンションといった賃貸物件の空室対策として、モニター付きインターホンの導入が注目されています。
防犯意識の高まりから、入居希望者はセキュリティ設備を重視する傾向にあり、この設備の有無が物件選びの決め手となることも少なくありません。

大家として物件の付加価値を高め、入居率を向上させるために、テレビモニター付きインターホンがなぜ有効なのか、その具体的な理由と導入のポイントを解説します。

目次

なぜ今、賃貸物件にテレビモニター付きインターホンが求められるのか

近年、訪問販売や勧誘、不審者などのトラブルを未然に防ぐため、入居者は物件のセキュリティ性能を以前にも増して重視しています。
特に賃貸物件を探す際には、安心して生活できる環境かどうかが重要な判断基準となります。

テレビモニター付きインターホンは、訪問者を映像で確認できるという基本的な安心感を提供し、現代の入居者ニーズに応えるための必須設備となりつつあるのが現状です。

入居希望者が物件選びでセキュリティ設備を重視する傾向

近年、入居希望者は物件を選ぶ際に、間取りや家賃だけでなくセキュリティ設備を重視する傾向が強まっています。
特に、女性や学生の初めての一人暮らしでは、安心して生活できる環境が最優先事項とされます。

オートロックや防犯カメラと並び、テレビモニター付きインターホンは、訪問者の顔を室内から確認できるため、不要な訪問や不審者への対応において直接的な安心感を提供します。
この設備の有無が、最終的な入居の決め手になるケースも少なくありません。
物件情報サイトの検索条件にもセキュリティ関連の項目が含まれており、多くの人がこれらの設備が整っている物件を積極的に探しています。

インターホンの有無が内見時の評価を左右する理由

内見は、入居希望者が物件を直接確認し、生活を具体的にイメージする重要な機会です。
その際、テレビモニター付きインターホンが設置されていると、セキュリティ意識の高い物件であるという印象を与え、評価が大きく向上します。

訪問者の顔を見てから対応できるという機能は、日々の安心感に直結するため、内見者に具体的なメリットとして伝わりやすいのが特徴です。
逆に、音声のみのインターホンや、そもそもインターホン自体がない物件は、時代遅れで防犯面に不安があるというマイナスの印象を与えかねません。
内見時のわずかな印象の違いが、競合物件との比較において大きな差となり、契約に至るかどうかの分岐点になることもあります。

テレビモニター付きインターホンが持つ便利な機能

テレビモニター付きインターホンは、単に訪問者の顔を確認するだけの設備ではありません。
近年のモデルは、入居者の生活をより安全で便利にするための多彩な機能を搭載しています。

例えば、不在時の来訪者を記録する録画機能や、スマートフォンと連携して外出先からでも応対できる機能などがあります。
これらの便利な機能は、物件の付加価値をさらに高め、入居者満足度の向上に直接貢献します。

訪問者の顔を室内モニターではっきり確認できる

テレビモニター付きインターホンの最も基本的な機能は、室内に設置されたモニターで玄関先の訪問者の顔を映像で確認できる点です。
これにより、ドアを開ける前に相手が誰なのかをはっきりと把握できます。
セールスや勧誘など、応対したくない訪問であれば、居留守を使うといった判断も可能です。

また、不審者と思われる人物が来た場合でも、直接顔を合わせることなく状況を確認できるため、身の安全を確保しやすくなります。
音声のみのインターホンでは声色でしか判断できませんが、映像があることで得られる安心感は非常に大きく、入居者が日々の暮らしの中で感じる不安を軽減させる効果があります。

不在時でも安心な来訪者の録画機能

最近のテレビモニター付きインターホンの多くには、来訪者を自動で録画する機能が搭載されています。
この機能により、留守中に誰が訪ねてきたのかを帰宅後に映像で確認することが可能です。
宅配便の配達員や知人など、重要な来訪を見逃す心配が減るだけでなく、万が一不審な人物が訪れていた場合にも、その姿を記録として残すことができます。

録画された映像は、空き巣などの犯罪抑止力になると同時に、何かトラブルが発生した際の証拠としても役立つ可能性があります。
このように、不在時の状況を把握できる録画機能は、入居者にとって大きな安心材料となり、物件のセキュリティレベルを一段と高める要素です。

スマホ連動で外出先からでも来客対応が可能

スマートフォンと連携できる高機能なテレビモニター付きインターホンも増えています。
この機能を使えば、専用アプリを通じて、外出先からでもスマートフォンで来客対応が可能です。
玄関のインターホンが押されるとスマホに通知が届き、リアルタイムの映像を見ながら音声で会話できます。
例えば、宅配業者に対して置き配を依頼したり、急な来客に帰宅時間を伝えたりと、柔軟な対応が実現します。

在宅しているかのように振る舞えるため、留守であることを外部に知られにくく、空き巣対策としても有効です。
この利便性は、多忙な社会人や外出が多い入居者にとって非常に魅力的であり、物件の先進性をアピールする強力な武器となります。

オーナー様必見!テレビモニター付きインターホンを導入する3つのメリット

テレビモニター付きインターホンの導入は、入居者の安心感を高めるだけでなく、物件を所有するオーナーにとっても多くのメリットをもたらします。
空室期間の短縮や家賃の維持、さらには長期的な安定経営など、賃貸経営の課題解決に直接的に貢献する効果が期待できます。

具体的にどのようなメリットがあるのか、3つの視点から詳しく見ていきましょう。

入居者の安心感が生まれ長期的な入居に繋がりやすい

テレビモニター付きインターホンが設置されている物件は、入居者に高い安心感を提供します。日々の生活におけるセキュリティ面の不安が軽減されることで、住み心地の良さを実感しやすくなり、結果として入居者の満足度向上につながることが期待されます。満足度が高い入居者は、更新時期が来ても退去せずに住み続けてくれる可能性が高まります。

退去者が減ることは、次の入居者を探すための広告費や原状回復費用、そして空室期間の家賃損失を抑えることになり、賃貸経営の安定化に直結します。一度の設備投資が、長期的な視点で見るとコスト削減と安定収入の確保に貢献するのです。

近隣の競合物件と差別化でき空室期間の短縮が期待できる

賃貸市場において、近隣の類似物件との差別化は空室対策の基本です。
多くの物件が似たような家賃や間取りで競争する中で、テレビモニター付きインターホンのような付加価値のある設備は、入居希望者の目を引く強力なアピールポイントとなります。

特に、築年数が経過した物件の場合、大規模なリフォームを行わなくても、インターホンの交換は比較的手軽に実施できるうえ、セキュリティ性能を大幅に向上させることが可能です。
物件情報サイトで「モニター付きインターホン有り」という条件で検索されることも多く、問い合わせの増加が期待できます。
結果として、他の物件よりも優位に立つことができ、内見から成約までの期間を短縮し、空室期間の最小化に貢献します。

物件の付加価値が向上し家賃設定を維持しやすくなる

テレビモニター付きインターホンの設置は、物件の付加価値を高める効果があります。
セキュリティ性能という明確な価値が加わることで、入居者は家賃に対して納得感を持ちやすくなります。
築年数の経過とともに家賃を下げざるを得ない状況は多くのオーナーが直面する課題ですが、こうした設備投資を行うことで、家賃の下落を防ぎ、適正な価格設定を維持しやすくなります。

場合によっては、周辺相場と比較して少し高めの家賃設定も可能になるかもしれません。
これは、単なる空室対策にとどまらず、物件の収益性を維持・向上させるための積極的な経営戦略と言えます。
設備投資の費用はかかりますが、長期的に見れば家賃収入の安定化という形で回収が期待できます。

失敗しないテレビモニター付きインターホンの選び方

テレビモニター付きインターホンを導入するにあたり、どの製品を選べば良いか迷うことも少なくありません。
物件の状況や入居者のニーズに合わせて最適な機種を選ぶことが重要です。
配線の有無で選べるタイプや、夜間の視認性を高める機能、より広い範囲を確認できるレンズなど、選定にはいくつかのポイントがあります。

ここでは、設置後の満足度を高めるための、失敗しないインターホンの選び方を具体的に解説します。

配線工事が不要なワイヤレスタイプの検討

既存の建物にインターホンを後付けする場合、配線工事が大掛かりになることがあります。
特に、玄関子機から室内親機までの配線が通っていない物件では、壁内に線を通すための工事が必要となり、費用も時間もかかります。
そのような場合に有効な選択肢が、ワイヤレスタイプのテレビモニター付きインターホンです。
このタイプは、玄関子機と室内親機が無線で通信するため、複雑な配線工事が不要です。

玄関子機は電池式が多く、既存のドアホンがない場所にも簡単に設置できます。
工事不要で導入できる手軽さは大きなメリットであり、コストを抑えたいオーナーにとって魅力的です。
ただし、電波の届く距離や障害物の影響などを考慮して、物件の構造に適しているかを確認する必要があります。

夜間でも鮮明に映るLEDライト付きカメラを選ぶ

インターホンのカメラ性能は、セキュリティ機能を最大限に活かすための重要な要素です。
特に、夜間や暗い場所での視認性は必ず確認すべきポイントです。
夜間に訪問者があった際、顔が暗くて判別できなければ意味がありません。
そこでおすすめなのが、LEDライトを搭載したモデルです。

来訪者がチャイムを押すと自動でライトが点灯し、夜間でもカラーで鮮明に来訪者の顔を映し出すことができます。
これにより、時間帯を問わず安心して訪問者を確認できるようになります。
製品を選ぶ際には、モニターの画面サイズだけでなく、カメラにLEDライトが付いているか、夜間の映像がどれくらいクリアに映るかを仕様書やカタログで確認することが大切です。

広範囲を確認できる広角レンズ搭載モデルがおすすめ

玄関先の状況をより広く把握するためには、カメラの画角も重要な選定ポイントです。
標準的なレンズでは、訪問者がカメラの真正面に立っていないと顔の一部しか映らないことがあります。
しかし、広角レンズを搭載したモデルであれば、左右に広い範囲を映し出すことが可能です。
これにより、訪問者の全身や、複数人いる場合でも全体像をしっかりと確認できます。

また、子どものように背の低い訪問者や、少し離れた場所にいる不審な人物の様子も捉えやすくなるため、防犯性能が一層高まります。
特に、玄関前のスペースが広い物件や、死角が生まれやすい構造の物件には、広角レンズ搭載モデルの導入が強く推奨されます。

設置工事の種類と費用の目安

テレビモニター付きインターホンを導入する際の費用は、物件の既存設備の状況によって大きく異なります。
すでにチャイムやインターホンが設置されている場合の交換工事と、何もない状態から新規で設置する場合とでは、工事内容と費用が違ってきます。

ここでは、具体的な工事内容と、本体価格を含めた費用の目安について解説し、予算を立てる際の参考にします。

既存のインターホンを交換する場合の工事内容と注意点

すでに音声のみのインターホンやチャイムが設置されている場合、その既存の配線を再利用してテレビモニター付きインターホンに交換する工事が一般的です。
この方法であれば、大規模な配線工事が不要なため、比較的短時間かつ低コストで設置が完了します。
具体的な作業としては、既存の親機と子機を取り外し、新しい機器に付け替えて配線を接続します。

ただし、注意点として、既存の配線が電源直結式かコンセント式かによって対応する製品が異なるため、事前の確認が必須です。
また、後付けでサイズが大きい親機に交換する場合、壁紙の汚れや日焼け跡が露出することがあるため、設置場所の壁の状態も考慮しておくと良いでしょう。
専門業者に依頼すれば、配線の状態確認から適切な製品の選定まで含めて相談に乗ってもらえます。

新規で取り付ける場合の配線工事について

これまでインターホンが設置されていなかった物件に新規で取り付ける場合は、玄関子機と室内親機をつなぐための配線工事が必要になります。
この工事では、壁の中に配線を通す作業が発生するため、交換する場合に比べて時間と費用がかかる傾向にあります。
具体的には、壁に穴を開けて配線ケーブルを通し、電源を確保するための電気工事も伴います。
建物の構造によっては配線を通すのが難しいケースもあり、その場合は壁の表面に配線を這わせる露出配線という方法が取られることもありますが、美観を損ねる可能性があります。

そのため、新規設置の際は、事前に専門業者に現場調査を依頼し、最適な工事方法と正確な見積もりを確認することが不可欠です。

本体価格と工事費用を合わせたおおよその相場

テレビモニター付きインターホンの導入にかかる総費用は、本体価格と工事費の合計で決まります。
本体価格は、機能によって幅広く、シンプルな録画機能のみのモデルであれば1万円台から、スマホ連携などの高機能モデルになると数万円以上します。
工事費の相場は、既存の配線を利用できる交換工事の場合で1万円から3万円程度が目安です。
一方、配線工事が必要な新規設置の場合は、工事の難易度にもよりますが3万円から5万円以上かかることもあります。

したがって、総額としては、交換工事であれば1.3万円から14万円程度、新規設置であれば3万円から8万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
正確な費用を知るためには、複数の業者から見積もりを取り、工事内容と費用を比較検討することが重要です。

他の防犯設備と組み合わせて物件の魅力をさらに高める

フロンティアタワー難波EAST

テレビモニター付きインターホンは単体でも強力な空室対策になりますが、他の防犯設備と組み合わせることで、相乗効果を生み出し、物件のセキュリティレベルと魅力をさらに高めることが可能です。

エントランスからの入退室管理や共用部の監視、入居者の利便性向上など、複数の設備を連携させることで、競合物件に対する圧倒的な優位性を確立できます。

オートロック連動でエントランスからのセキュリティを強化

アパートやマンションのエントランスにオートロックが設置されている場合、各住戸のテレビモニター付きインターホンと連動させることで、セキュリティを格段に強化できます。
来訪者はまずエントランスの集合玄関機で部屋番号を押し、入居者は室内のモニターで相手の顔を確認してからオートロックを解錠します。
これにより、入居者と関係のない不審な人物が建物内へ侵入するのを防ぐ第一の壁となります。
訪問販売や勧誘などもエントランスの段階で断ることができるため、各住戸の玄関前まで来られる心配がありません。

この「エントランス」と「各住戸の玄関」という二重のセキュリティチェックは、入居者に非常に高い安心感を与え、特に女性やファミリー層から強く支持される設備です。

防犯カメラの設置で共用部の安全性をアピール

エントランスや廊下、駐車場、ゴミ置き場といった共用部に防犯カメラを設置することは、物件全体の安全性をアピールする上で非常に効果的です。
テレビモニター付きインターホンが各戸のセキュリティを高めるのに対し、防犯カメラは共用部の犯罪抑止力として機能します。
不審者の侵入やいたずら、不法投棄などを防ぐ効果が期待できるほか、万が一トラブルが発生した際には、記録された映像が解決の手がかりとなります。

入居希望者は、こうした目に見える形での防犯対策が施されている物件に安心感を抱きます。
「防犯カメラ作動中」といったステッカーを掲示するだけでも、犯罪を未然に防ぐ効果が見込めます。
インターホンと併せて導入することで、物件全体のセキュリティ意識の高さを強く印象付けられます。

宅配ボックスの導入で入居者の利便性を向上させる

宅配ボックスは、直接的な防犯設備ではありませんが、入居者の利便性を大幅に向上させ、結果的にセキュリティ強化にもつながる設備です。
不在時でも荷物を受け取れるため、再配達の手間が省けるだけでなく、配達員を装った不審者と対面するリスクを減らすことができます。
特に、オンラインショッピングの利用が日常的になった現代において、宅配ボックスの有無は物件選びの重要なポイントの一つです。

テレビモニター付きインターホンで来訪者を確認し、宅配業者であれば非対面で対応できるという流れは、現代のライフスタイルに非常にマッチしています。
防犯性と利便性を両立させる設備として宅配ボックスを導入することは、入居者満足度を高め、物件の競争力を向上させる有効な一手です。

まとめ

賃貸物件の空室対策として、テレビモニター付きインターホンの導入は非常に有効な手段です。
入居希望者がセキュリティを重視する現代において、訪問者の顔を映像で確認できる機能は、日々の暮らしに大きな安心感をもたらします。
これにより、近隣の競合物件との差別化が図れ、内見時の評価向上や空室期間の短縮が期待できます。
また、長期的な入居につながりやすくなるため、安定した賃貸経営にも貢献します。

導入にあたっては、ワイヤレスタイプや高機能カメラ搭載モデルなど、物件の状況やニーズに合わせた製品を選ぶことが重要です。
費用は工事内容によって変動するため、専門業者に見積もりを依頼し、計画的に進める必要があります。
他の防犯設備と組み合わせることで、物件の付加価値はさらに高まります。